長引くコロナ禍は、私たちの生活に大きな影響を与えています。外出自粛やリモートワークが推奨されていて、自宅で過ごす時間が長くなっている人が多くなっています。
このことは犬や猫にもさまざまな影響を与えます。
もともと飼い主さんと一緒にいることが好きな犬や猫にとっては嬉しいことかもしれませんが、外出しづらくなって犬の散歩の回数が減る、あるいは時間が短くなること、また、一人でいることを好む猫にとっては、 たとえ飼い主さんであっても、人がずっと家にいることは苦手かもしれません。
このように何らかの形で犬や猫にとってもストレスになっている可能性があります。
とくに猫の場合、ストレスを感じるとフードを食べる量が増える傾向があります。猫はストレスを感じるとまず、 静かなところに隠れようとします。ところが隠れるところがないと、口を使った行動で自分を落ち着かせようとします。そのひとつがグルーミングです。そしてもうひとつがフードを食べることです。
それに加えて、飼い主さんの在宅時間が長くなることで、今まで以上におねだりが増えているかもしれません。このようなときには、おねだりの多い猫用の満腹感をサポートするフードを試してもらうと良いでしょう。
近頃、「環境エンリッチメント」という考え方が注目されています。これは、犬や猫の本能的な行動や欲求を満たすために、飼育環境を「エンリッチメント=豊かにする」ということです。
例えば、犬は本来、穴ぐらのような狭い空間で寝ていましたし、猫も隠れられる空間があると安心することができます。そこでクレートなど落ち着ける場所を用意してあげる。(参考クレートトレーニングのススメ)あるいは、上下運動が好きな猫のためにキャットツリーを設置する。
このような生活空間についてのエンリッチメントを「空間エンリッチメント」と言います。また、視覚や聴覚、 嗅覚などの感覚をさまざまな形で刺激する「感覚エンリッチメント」もあります。
そしてフードの与え方を工夫して、犬や猫の探求心や摂食行動を刺激してあげるのが「採食エンリッチメント」です。
フードを小分けにして家の 中のあちこちに置いておいて、犬や猫が家の中を探検してフードを見つ けるようにしてあげるのがひとつの方法です。フードの置き場所を毎日変えるとさらに効果的です。
また、穴の開いたボールの中にフードを 入れてボールを転がすとフードが出てくるおもちゃなど、最近はさまざまなフードパズル (パズルフィーダー)も販売されています。
犬と猫の飼育環境も今の状況にあわせて変化させるタイミングと考え、クレートやキャットツリーを置いてあげると安心ですね
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